新年あけましておめでとうございます。
皆様には穏やかなお正月をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。

本年も昨年に引き続き、コロナ環境下でのお正月となってしまいました。
コロナウィルスの感染状況は、昨年末にはかなり下火になりましたが、新しい変異株の出現などもあり、まだまだ落ち着かない状況が続いています。皆さんの行動様式も、ある程度気をつけながらほぼ普段通りのお正月を過ごされた方、或いは自粛でご自宅に引き籠られていた方と、それぞれの過ごされ方にかなり幅があったのではないでしょうか。

そのような中、吉野ゴムの互例会（新春決起大会）は、今年も大事を取ってリモート開催といたしました。大勢の皆さんと一緒に賑やかにお正月が迎えられないことは誠に残念ではありますが、今はもう暫く我慢しましょう。
社員全員が再び一堂に会する機会が一日も早く訪れることを願って、皆さんの心を一つに新しい年に乗り出していきたいと思います。

さて昨年は、コロナ禍が長引く中、当社もかなり苦戦を強いられましたが、様々に工夫して製・販ともに利益を確保できたことは大きな成果でした。

しかしながら当社を取り巻く事業環境は、今後ますます難しくなることが予想されています。あらゆる製品、部品、原材料の値上がりや入手困難、慢性的な物流費の高騰や人手不足など、課題は枚挙にいとまがありませんが、全社員並びに協力会社の皆様と力を合わせて、この不安定な環境を知恵と工夫と行動で乗り切っていくしかありません。本年も皆さんのご協力をお願い申し上げます。

尚、このような逆境の中にあっても、当社の営業部は今期より新たに広島営業所を開設し、強力な布陣でスタートしました。
また丹波篠山工場は、国の事業再構築補助金の支援を得て、大掛かりなリノベーション工事に着手するなど、全社で新しいチャレンジが進んでいます。
今期はこれらの新しいリソースもフル活用して、困難に前向きに取り組んでいく所存です。

そして、いよいよカーボンニュートラルへの取り組みが世界中で本格化し始めています。コンベヤベルト業界、もっと広くゴム業界全体、さらには石油化学業界そのものが大きな転換点を迎えています。今後、事業再編の動きが世界規模で活発化していきます。

昨年末には国内大手メーカのベルト事業撤退のニュースが発表されました。大きな生産ボリュームが消失することによる国内市場の混乱は避けられません。ベルトのユーザーや代理店の方々の中には、不安や困りごとを持たれる方も出てくることでしょう。

それらの方々に対し、先ずは当社の基準に照らしてお役に立てるところはしっかりと対応して、市場の混乱の収束に微力ながら尽力する所存です。
国内ベルト市場の落ち着く先はなかなか見通しにくいですが、あらゆる情報を分析して変化を慎重に見極め、正しく対処するための準備を進めていきます。

混沌とした中でも信念をもってやるべきことを計画的に行い、来るべきチャンスに備えることが肝心です。引き続き全社員、並びに新永全様、和承様をはじめとする協力会社の皆様のご協力を心よりお願い申し上げます。全員で力を合わせてさらなる成長を目指しましょう。

そして最後に、
本年も昨年に続いて協力会社やOBの皆様にご参加いただけない互例会になってしまいましたが、それら皆様の分も含めて、当社に関わりある全員の皆様のご健勝とご多幸を祈念して、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

以上

2022.1.5
吉野ゴム工業株式会社
代表取締役社長　伊藤　吉秀